「先生、僕の田舎に遊びに来ませんか。」と学生に誘われ、二つ返事で訪れたのは のどかな田園風景が広がる美しい村でした。 雲ひとつない澄み切った青空の下、色とりどりの花々が咲く広大な畑や生まれて初めて見る緑輝く麦畑は地平線をおりなし、牛や鶏の鳴き声が奏でるのどかな交響曲が村中に響き渡っています。白い花ほころぶリンゴ園も延々と広がり、園内では子牛たちや子ヤギたちがのんびりと草をはんでいます。まるで絵に描いた風景のようだなあ、と園内を歩いていると、私に気づいた子ヤギたちが私めがけて突進してくるではありませんか。いくら子ヤギとはいえ、その個々は私よりは重量がありそうなほどまるまるとしています。それが群を成して、真っ黒い体を震わせながら全速疾走で真っ直ぐに自分に向かってくる怖さといったら…。ああ、もうぶつかる!と思いきや、彼らはまるで母親にでも甘えるようにスリスリと体をすり寄せてきたのです。なんだ、私が珍しかっただけなんだ、と安心したのも束の間、すり寄ってくる力が強いので立っていることができず、思わず座りこむと今度は顔にすり寄られました。ああ、こんなにも人懐こい君たちなのに、やがてはブロフやシャシリークの材料となってしまうのね、と思うと涙も出んばかり…。一方、ロバは私がどんなに近づいても一向に動じません。「お客さん?ま、ゆっくりしていって」とでも言いたげに、私をちらりと見ただけで優雅に草を食べ続けるばかり。鶏は、最初視界に入った時思わず「あれは犬?」と思ったくらい見事にまるまると太っていて美味しそう…いや健康そのもので、広い庭を大声で鳴きながらやはり全力疾走しています。 もちろん純真なのは動物だけではありません。私と学生が村を散策し終え、家でくつろいでいると、ご近所の方々がぞろぞろとやって来ました。皆さん学生のお母様と談笑しつつも、ちらちらと私を見つめています。一緒に写真を撮ると、少女のように顔を赤くしてとても嬉しそうです。子ヤギのみならずやはり私が珍しいようで、「さっき(私を)見かけた。どこの家に行くのか、と見ていたらこの家に入っていったので、どんな人かと思って来てみた。初めて外国人を見た。」と本当に率直です。また、小さい村のことですから、「幼い頃からの友人」という人々も多く、帰りの乗合バスを待っている時も学生のお父様と「五十年来の友人」という方とその方の娘さんもいらっしゃるし、ご近所の方がまたご友人を連れて来るしで、ちょっとした懇親会のようでした。こんなにもお互いによく知っていて仲がいい人同士なら、ここでは犯罪なんて起こり得ないでしょうね。 帰りはちょうど特急電車の通過時間と重なり、踏切で45分待たされました。日本ではこんなに待たされることはないし、もしあったら問題になりかねないのですが、ここの時間は悠々と流れているのでどんなに待っても長いと感じないし、ボンネットでゲームさえしている人もいた有り様です。 心落ち着くとてもいい所でした。夏休みにまた訪問する時が今から楽しみです。 |
ウズベクの方々と |