日本・ロ シア合作映 画

「ハチとパルマの物語」 

2021.7.9(金)〜22(木)  名演小劇場で上映


話は現代の秋田県大館市、秋田犬の里オープニングセレモニーから始まる。ロシアの空港で働くコーリャ。テレビで流れる秋田犬の話題に目が留まる。ふと我に 返ると、自分のちいさな頃の犬との忘れられない思い出があふれてくる。

旧ソ連 の空港でのできごと。飼い主とともにプラハに行く予定だったジャーマンシェパードのパルマは、搭乗のための書類不備で乗機を拒否される。飼い主は仕方な く、こっそりパルマを滑走路に放つ。パルマは空港に住み着き、毎日滑走路で飛行機を見上げ、2年間も飼い主の帰りを待ち続けた。その姿はやがて空港のシン ボルとなり、人々の心を打つ。

時を同 じくして、9歳のコーリャ少年が空港に現れる。彼は母を亡くし、パイロットである父親に引き取られるのだが、母を失った悲しみと、良い思い出のない父親と の生活ですっかり心を閉ざしてしまう。コーリャとパルマ、孤独なもの同士の友情はすぐに生まれた。

 ある 日、空港に日本人に連れられた秋田犬が現れる。飛行機への搭乗を待つ秋田犬に、パルマは仲間を見つけたかのように走り寄るが、その傍らには優しい主人がい る。二人を見送るパルマの眼に、この上ない寂しさが宿っていることにコーリャは気づく。彼はパルマに自分の姿を投影する。「飼い主のもとへ戻してあげた い」と、たくさんの人の協力を得て行動を起こす。少しずつ心を開き始め、父親もコーリャに向き合おうと努力する。そしていよいよパルマと飼い主の再会の 日、パルマは嬉しそうだが、なぜかコーリャのもとを離れようとしない…。

 2020年日本・ロシア合作 120分