旧ソ連
の空港でのできごと。飼い主とともにプラハに行く予定だったジャーマンシェパードのパルマは、搭乗のための書類不備で乗機を拒否される。飼い主は仕方な
く、こっそりパルマを滑走路に放つ。パルマは空港に住み着き、毎日滑走路で飛行機を見上げ、2年間も飼い主の帰りを待ち続けた。その姿はやがて空港のシン
ボルとなり、人々の心を打つ。 時を同
じくして、9歳のコーリャ少年が空港に現れる。彼は母を亡くし、パイロットである父親に引き取られるのだが、母を失った悲しみと、良い思い出のない父親と
の生活ですっかり心を閉ざしてしまう。コーリャとパルマ、孤独なもの同士の友情はすぐに生まれた。 ある
日、空港に日本人に連れられた秋田犬が現れる。飛行機への搭乗を待つ秋田犬に、パルマは仲間を見つけたかのように走り寄るが、その傍らには優しい主人がい
る。二人を見送るパルマの眼に、この上ない寂しさが宿っていることにコーリャは気づく。彼はパルマに自分の姿を投影する。「飼い主のもとへ戻してあげた
い」と、たくさんの人の協力を得て行動を起こす。少しずつ心を開き始め、父親もコーリャに向き合おうと努力する。そしていよいよパルマと飼い主の再会の
日、パルマは嬉しそうだが、なぜかコーリャのもとを離れようとしない…。 |