本作は、現代ロシアの伝説的作家セルゲイ・ドブラートフの半生に迫った作品。ジャーナリス トとして働きながら文筆活動にいそしむドブラートフの日々から、6日間が切りとられる。舞台となるのは、“雪解け”と呼ばれ、言論に自由の風が吹いた社会 に、再び抑圧的な“凍てつき”の空気が満ち始めた1971年のソビエト・レニングラード(現サンクトペテルブルク)。主人公ドブラートフを始め、のちに ノーベル賞を受賞する詩人ヨシフ・ブロツキーら若き芸術家や活動家たちのひたむきな生が描かれる。