「とうもろこしの島」(ジョージア・チェ コ・フランス・ドイツ・カザフスタン・ハンガリー合作 2014年)

名演小 劇場で10月8日(土)から上映


ジョージア(グルジア) と、ジョージアからの独立を主張するアブハジアは、1992年以降、激しい戦争状態 にあった。両者の間にはエングリ川が悠々と流れている。この川は春の雪解けとともにコーカサス山脈から肥沃な土を運び、中州をつくる。両岸で敵同士がにら み合い、銃弾が飛び交う中、今年も、アブハズ人の老人は孫娘をともなって、昔からの風習のとおり、中州に小舟で渡り、小屋を建てて、土を耕し、とうもろこ しの種を蒔いて、苗を育てる。しかし戦闘が激しくなり、ある日、彼らはとうもろこし畑で傷を負った若いジョージア兵を発見する
深い森と大河の悠 々とした流れ、ときおり聞こえる銃声、とうもろこしを黙々と育てる老人、祖父との生活を余儀なくされた孫娘の成長――セリフを極力抑えて、大 自然のめぐりと人間の営みを対比させ、戦争の意味を問う寓話的な傑作。