ロ シア映画「エレナの惑い」、「ヴェラの祈り」
「父、帰る」のズビャギンツェフ監督2作品、日本公開
名古屋 シネマテークで2015年2月21日(土)から連続上映

妻として、母として、女は二度目覚める



エレナの惑い 上映時間
2月21日(土)〜2月27日(金)  13:00〜14:49
2月28日(土)〜3月3日(火)  15:00〜16:49

ヴェラの祈り 上映時間
2月21日(土)〜2月27日(金) 15:05〜17:42
3月4日(水)〜
3月6日(金)   15:00〜17:37

エレナの惑い ヴェラの祈り
<story>
モスクワ、 冬。初老の資産家と再婚した元看護士のエレナは、生活感のない高級マンションで、一見裕福で何不自由のない生活を送っている。しかしその生活で夫が求める のは、家政婦のように家事をし、求められるままにセックスをする従順な女の姿だ。そんな生活の中で、彼女は夫の顔色をうかがいながらも、唯一の自己主張の ように、前の結婚でもうけた働く気のない息子家族の生活費を工面している。しかしそんな日常は、夫の急病により一変する。「明日、遺言を作 成する」――。
死期を悟った夫のその言葉と共に、彼女の「罪」の境界線がゆらいでいく。そして、彼女がとった行動とは……。
男と言う存在を「経済」にだぶらせ、それに蹂躙されたひとりの女性の業をサスペンスフルに描き出す本作は、妻という存在、ある いは母という 存在とは何かを根源から問いただしていく傑作となった。アンドレイ・ズビャギンツェフ監督長編三作目にして、初めて自身のオリジナル脚本による『エレナの 惑い』は、今なお男性優位主義のロシアで、一人の妻として、母として、何より女としてもがく主人公の姿を通して、魂とモラルを失いつつある現代の闇を我々 の前に突きつける。

<story>

妊娠したの、でもあなた の子じゃない」。
妻は愛を確かめたかった……。
でもそれは浮遊し、いつでも孤独の姿しか見せない――。

夏 を過ごすために、亡き父が遺した田舎の家を訪れたある家族。美しい景色の中で流れる静かな家族の時間は、妻ヴェラのある思いがけない告白で暗転していく。

孤 独より深い海の底を見てしまった女性の、戻れない道を描いた現代の「黙示録」。妻であること、そして母であるという立場に納まりきれない感情の熱波は、や がて家族そのものを飲み込む奔流となり、悲劇を引き起こしていく……。

2011年ロシア  109分  原題:Елена
監督:
ア ンドレイ・ズビャギンツェフ
出演:ナジェジダ・マルキナ、アンドレイ・スミルノフ、アレクセイ・ロズイン
2007年ロシア  157分  原題:Изгнание
監督:
ア ンドレイ・ズビャギンツェフ
出 演:コンスタンチン・ラヴロネンコ/マリア・ボネヴィー/アレクサンドル・バルエフ/ドミトリー・ウリヤノフ