モ スクワ・クァルテット名古屋公演

11月23日(土・祝) 17:45開演
  17:00開場
名古屋・栄 宗次ホールにて

自由席 一般3,000円(ユーラシア協会会員は2,500円)
日本ユーラシア協会愛知県連事務局にてチケット取り扱い中
(ユーラシア協会では2,800円、ペアチケットは5,500円です)
お申し込みは 電話・FAX(052−932−7211)、またはメール(eurasia_aichi@yahoo.co.jp)で





モスクワ・クァルテットで是非聴いていただきたい曲
 モスクワ・ クァルテットの演奏会でぜひ聴いていただきたいのはスヴィリドフの「吹雪」〜プーシキンの物語への音楽の挿絵〜。「プーシキンの短編小説「吹雪」 (Метель)を基にした映画より」です。

 まず、短編小説では「マリアとウラジーミルは愛し合っていたが、その結婚を両親は許すはずもなかった。そこで駆け落ちを計画したが、決行の日はひどい吹 雪であった」というものです。さて、この駆け落ちはどうなったか・・・。ロシア語学習者は是非原文を読んでいただきたいと思いますし、岩波文庫「スペード の女王」(プーシキン作)に収録されていますので、翻訳でも読めます。

 この曲は1トロイカ、2ワルツ、3春と秋、4ロマンス、5パストラール、6軍隊行進曲、7婚礼の儀式、8ワルツの反復、9冬の道からなります。この小説 のストーリーを知った上で、モスクワ・クァルテットの素晴らしい演奏を聴くと、情景が生き生きと目の前に現れてくるようで、ひときわ感慨深いものがありま す。  (中森秀樹)

モスクワクァルテット公演に寄せて
 モスクワ・クァルテットのプログラムについて相談するため、3月1日、多田副理事長と一緒に理事で作曲家の帰山栄治さんを自宅に訪ねたとき、帰山さんは 丁度、ショスタコービッチの「ステージ・オーケストラのための組曲」のV「抒情的なワルツ」の編曲の最中でした。

 コンサートの成功のためには、愛知県連の会員だけではなく、外部の人達、特にバラライカやドムラと共通のレパートリーのありそうなマンドリン愛好家の人 達にも聴いてもらおうと思ったからです。

 本部から提示されたプログラムをもとに相談したところ、ロシアのものではブダーシュキンの「トロイカ、一週間の歌の主題による変奏曲」やマンドリン・コ ンクールの課題曲としてもよく使われる、アリャビエフの「ナイチンゲール」。ロシア以外ではパガニーニの「ヴェネツィアの謝肉祭」やロッシーニのオペラ 「セビーリァの理髪師序曲」などはマンドリニストも聴くのではないかということでした。そのほか、マンドリニスト気質など貴重なアドバイスをもらいまし た。

 帰山さんがマンドリン合奏のために編曲中の、ショスタコービッチの「ワルツU」や「抒情的なワルツ」を聴かせてもらったところ、これがなかなかいい曲で した。帰山さんの編曲でモスクワ・クァルテット演奏ということが実現したら、素敵だなと思って帰ってきたところです。   (中森秀樹)

モスクワ・クァルテットで聴いていただきたい曲(その2)
今回のプログラムに宮城道夫作曲の『春の海』があり ます。この曲は日本に住んでいる人ならだれでも、正月にテレビやラジオの放送で耳にしたことがあるのではないでしょうか。

 『春の海』の初演は1929年末に、作曲家である宮城道夫と尺八演奏家の吉田清風により日比谷公会堂で行われました。この『春の海』が有名になったの は、フランスの女性ヴァイオリニストのルネ・シュメーとともに演奏したレコードによってです。来日したシュメーが『春の海』を気に入り、尺八のパートを ヴァイオリンで演奏したものです。このレコードは1932年、日本、アメリカ、フランスで発売され、世界的な名声を得ることになりました。

『春の海』は8歳で失明した宮城道夫が、父親の故郷であり、失明前に育てられた土地・福山市鞆町からみえる『鞆の浦』にインスピレーションを受けて創作し たものです。

モスクワ・クァルテットの演奏する『春の海』も、あたかも日本の箏による演奏のようで、ロシア人のクァルテットの演奏とは信じられないくらいです。    (中森秀樹


ロシアの伝統を受け継ぐ人間国宝級の音楽家たち
 11月23日(祝)午後5時45分からモスクワ・クァルテットの公演を日本ユーラシア協会愛知県連と宗次ホールの共催でおこないます。

 今回は公演で演奏されるロシアの民族楽器についてウィキペディアより紹介します。

 バラライカはロシアの代表的な弦楽器である。ギターと違い、共鳴胴が三角錘形をしているのが特徴。現在の形は19世紀の末に、ロシアの音楽家ワシー リー・ワシーリエヴィチ・アンドレーエフ達によって改良・完成された。バラライカにはいくつかの種類があり、音の高いほうからピッコロ・プリマ・セクン ダ・アルト・バス・コントラバスなどがある。これらは独奏をはじめ、合奏やバラライカ・オーケストラに用いられ、このうち最もよく演奏される物はプリマで ある。

 ドムラは、3本もしくは4本のスチール弦と丸い共鳴板を持つロシアの弦楽器である。12世紀にモンゴルの侵入とともにロシアに持ち込まれたものと考えら れる。現在のデザインは1869年にワシーリー・ワシリエヴィッチ・アンドレーエフによって改良されたもので、オリジナルの楽器の正確な記述は残っていな い。今日では、ドムラはピックで弾かれ、バラライカアンサンブルの主メロディーを担当することが多い。

 現代の演奏家で最も著名なのが、3弦ドムラ奏者のアレクサンドル・ツィガンコフである。彼は「ドムラの王」の異名をとり、演奏、レパートリー、作曲、教 育法などあらゆる面において大きな影響を与え続けている。ロシア連邦人民芸術家で、グネーシン記念ロシア音楽アカデミーの教授を務めている。

 グースリは、ロシアに伝わる弦楽器。中世ロシアにおいては、ロシア正教会が器楽演奏を禁じていたが、グースリはその唯一の例外であった 。1914年には、箱形グースリに1オクターヴの鍵盤を付けた「鍵盤グースリ」がN・P・フォミーンによって開発された。単音や和音を鍵盤で押し、該当す るオクターヴ部分の弦を弾いて音を出す。アルペジオの演奏に効果的である。撥弦グースリ及び鍵盤グースリはロシア民族楽器オーケストラで用いられる。

 今回の公演では、「ドムラの王」の異名をとるアレクサンドル・ツィガンコフの演奏を生で聴くことができる貴重な機会です。多くの方々をお誘いいただき、 演奏会を成功させましょう。