第84回ロシア語サロン
2012.1.22
ヴォルガ川の町 コストロマ
イリーナ・エゴーロワ
さん
1月22日(日)午後2時から第84回ロシア語サロンが開かれました。ゲストはイリーナ・エゴーロワさんです。
お話のテーマは「ヴォルガ川の町 コストロマ」。
イリーナ・エゴーロワさんのプロフィール:
コストロマ生まれ、心理学を専攻して専門学校で教えていた。来日して14年で日本語堪能。夫は日本人。半年前に名古屋に引っ越すまで東京に住んでいた。得意な日本料理は鯖の味噌煮。自然が豊かで牛乳のおいしい北海道が好き。
イリーナさんのお話:
コストロマは1152年にキエフ大公ユーリー・ドルゴルーキーによって建設された町です。ヴォルガ川とコストロマ川の合流するところにあり、流通の拠点として栄えました。17世紀初めにはポーランド軍に攻め込まれました。皇帝になるはずだったミハイル・ロマノフはコストロマに隠れていたのですが、彼を探しに来たポーランド軍をだまして沼地に案内したのがコストロマの農民だったイヴァン・スサーニンです。彼はポーランド軍に殺されてしまいましたが皇帝と国を守った英雄として全ロシアに名前を知られるようになりました。グリンカによってオペラも書かれています。
さらに18世紀になってエカチェリーナ女帝がここを訪れ、テーブルの上に扇をぱっと広げて「この形に町を作りなさい」と言ったので、その言葉に忠実に都市計画が立てられ、コストロマの町では扇状に道ができたと言われています。
モスクワから電車で行くとコストロマまで約8時間、車で行くと4時間かかります。いわゆる「黄金の環」にあるのですがモスクワからの日帰り旅行は不可能ではないものの慌ただしいと思います。電車ですと夜にモスクワを出発して早朝にコストロマに着く便もありますが、やはりヤロスラーブリあたりに一泊して バスで見に来られるとゆったりできるでしょう。今ではコストロマには特別な産業もなく、観光客も多くはなくて静かな町です。
ヴォルガ川のクルーズはロシア人はもちろん、今では西ヨーロッパの人たちにも人気があり、大きな船が川を航行しています。私自身のヴォルガ川クルーズ体験はまだ子供のころで、コストロマから南のロストフ・ナ・ドヌーまでの2週間の子供だけの団体での旅行でした。私たちは船の下の方の船室でベッドがあるだけでしたがお友だちと一緒だったのでほんとうに楽しい旅行でした。その時母と妹も同じ船に乗って旅行しましたが 彼らは個人旅行だったのでホテルのようないい船室で快適な旅をしました。船は夜の間に航行し、朝各地の港に到着、クルーズ客たちは朝食を船で済ませてから上陸して町を観光します。それぞれガイドが同行し、自由時間もあってゆったり一日を陸ですごし、夕方船に戻って夕食というスケジュール、荷物の移動がないので身軽に出かけられ 素敵な休日がすごせます。
14年前に来日し、最初は日本語学校に通い、その後は実践で日本語を身に付けたイリーナさん、「日本人とロシア語で話すのは難しい」そうです。「ロシア語サロンなのでロシア語で話してください」とお願いしてあったのですが、、、 日本人に囲まれ、日本語での話が全部わかってしまうんですから、ついつい日本語が口から出てしまいます。この日は山崎タチアナ先生も来て下さり、「ロシア語ベース」にもどそうと努力してロシア語で話してくださったのですが、参加者が9名と少ないこともあって 気楽に日本語でおしゃべり、サロンは途中から「日本語サロン」に。
ロシア人が喜ぶ日本からお土産やロシアの和食についてもいろいろ質問が出て情報がいただけたので こういうのもまたいいのかもしれませんね。 (服部 記)
コストロマの町と第84回ロシア語サロンについてはブログにも関連記事がありますのでご覧ください。
http://blog.goo.ne.jp/samovar_2011/c/83d1e89bad0730eb13af6e1081bea04d