第79回ロシア語サロン    2010.9.26

ポルタワの戦い

                                                               

オリガ・リトビネンコ さん

皆さんはポルタワがどこにあるかご存知ですか? ウクライナの首都キエフから南東に約300キロのところにある町です。1709年にここで大きな戦いがありました。戦ったのはカール十二世の卒いるスウェーデン軍とピョートル大帝のロシア軍です。この前年、ピョートル大帝は当時ヨーロッパ最強の軍事大国だったスウェーデンと戦い、リヴォーニア(現在のラトヴィアとエストニア)を奪いました。カール十二世はこれに腹を立ててモスクワ攻略を企てましたが気候の厳しさや地形を考えて迂回しウクライナからモスクワを目指すことにしました。


当時のウクライナは、西部はポーランド・リトアニア共和国に支配されていました。東部はコサックが支配していて、もっとも有力な勢力を率いていたのがイヴァン・マゼッパでした。彼はスウェーデン軍に加わりました。スウェーデン軍がポルタワに迫った時、ここにはロシア軍は少ししかいませんでした。しかしポルタワの町の人たちはロシア軍と共に闘ってスウェーデン軍の攻撃をしのぎ三カ月も持ちこたえました。そこへ大軍を率いてきたのがピョートル大帝です。マゼッパと敵対するコサックの一団がロシア側についたこともありロシア軍はスウェーデン軍を打ち破りました

カール十二世は負傷し、軍の三分の一を失ってマゼッパと共にオスマントルコ帝国へと落ちのびたのでした。この戦いでスウェーデン軍は文字通り消滅してしまい、ロシアはヨーロッパの軍事大国となりました。またこの戦いによって長い間続いた北方戦争も終わったのでした。


 



ロシア語サロンのページに戻る