第52回ロシア語サロン  2004.2.29

ロシアの音楽教育について   丸山リーリアさん

第52回ロシア語サロンが2月29日(日)ゲストに春日井市にお住まいの丸山リーリアさんをお招きして開かれました。リーリアさんは南ロシアのベルガラド市出身。日本人と結婚して昨年11月来日しました。故郷では、音楽大学を卒業した後、子どもの音楽学校のピアノ教師をしておられました。お話のテーマも「ロシアの音楽教育について」でした。以下はその要旨です。

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

 ロシアや私の故郷の町についてはいくらでもお話することができますが 今日は私の大すきなことについてお話しましょう。私は子供の音楽学校でピアノ教師をしていましたのでロシアの音楽教育について、特にベールガラドでの音楽教育についてお話します。

 子供たちには幼いころから、それもほんとうに早い時期から音楽や文化への愛情を身につけさせます。幼稚園のうちから 教師は子供たちに歌ったり踊ったり簡単な楽器を弾いたりする事を教え、楽しく行事を過ごします。

 六―七才から小学校に通いますが そこでは音楽やダンスは必須科目です。もし特定の楽器の演奏をもっと習いたければ特別な音楽学校で習うことができます。
 
 音楽学校ではピアノ、アコーディオン、ギター、フルート、バイオリン、トランペット、チェロの他 ロシアの民族楽器であるバヤン、バラライカ、ドムラも習うことができますし 声楽や社交ダンス、モダンダンス、ロシアの民族舞踊も教えています。

 音楽学校へは普通の学校の授業の後で週三回通います。音楽の授業では子供たちは民族音楽、クラシック、現代音楽そしてジャズも習います。普通の学校や美術学校では絵画も習います。音楽学校では生徒たちは個人レッスンの他にグループで演奏する練習もしています。そのために教師はオーケストラや小編成のアンサンブルやダンスのグループを作ったりします。

 音楽学校の先生たちは生徒たちに舞台度胸をつけさせようと 彼らをよく舞台で演奏させ、行事の時にはコンサートを開いたり 他の町や外国へ演奏に行かせたりします。

 もし子供が自分の趣味を職業にしたいと思うなら 音楽の勉強はコレッジ(十五歳から二十歳まで)、文化大学や音楽院で続けることができます。これらの教育機関がベールガラドにあります。今では私のには多くのアマチュアやプロの芸術家のグループがあります。たとえばロシアやヨーロッパの国々でも有名な民族アンサンブル「ベラゴーリエ」、ジャズバンド、室内合唱団、シンフォニーオーケストラなどです。

 ベールガラドにはまた劇場、人形劇場、博物館やロシアや外国の画家の絵のある美術館もあります。その他に大きなスポーツセンターやスケート場もあります。ロシア全土と同様にベールガラドでも戦争中に破壊された建物が再建されていますが特にペレストロイカ以降教会の再建が進んでいます。新築される教会もあり大人も子供も自分の精神性を高めようと通っています。清らかな心さえ持っていれば世界のすべての民族と心を通わせることができるのですから。ドストエフスキーもこう言っています。「美は世界を救う」。まずなによりも 美しい心を持つことが大切だと思います。

お話をするリーリアさんと参加のみなさん