第3回「ナターシャ先生と歌おう」
川北ナターリアさん
6月27日(日)午後2時からロシア語サロン番外編 第3回「ナターシャ先生と歌おう」が開催されました。今回の課題曲はロマンス「輝け、わが星よ」。「メロディーがきれいで歌詞が短くて覚えやすい歌」という条件で川北ナタリア先生に選んでいただいたものです。
歌詞と和訳:
ГОРИ, ГОРИ, МОЯ ЗВЕЗДА…
Музыка Петра Булахова
Слова Василия Чуевского
Гори, гори, моя звезда,
Гори, звезда приветная!
Ты у меня одна заветная,
Другой не будет никогда.
Сойдет ли ночь на землю ясная,
Звезд много блещет в небесах,
Но ты одна, моя прекрасная,
Горишь в отрадных мне лучах.
Звезда надежды благодатная,
Звезда любви волшебных дней,
Ты будешь вечно незакатная
В душе тоскующей моей!
Твоих лучей небесной силою
Вся жизнь моя озарена.
Умру ли я - ты над могилою
Гори, гори, моя звезда!
輝け、わが星よ
輝け、わが星よ、やさしい星よ
君はただ一人、私が心に決めた人
他の誰も君ほどに愛せない。
月夜の空には満天の星
でも私を幸せにしてくれるのは君の光だけ
心安らぐ希望の星よ、魔法のような日々の愛の星よ
君を恋する私の心に君の星は永遠に輝く
私の人生を明るく照らしてくれたのは君の光
もし私が死んだら墓の上で輝いておくれ
* Youtube で “Гори, гори, моя звезда”
を検索すると様々な歌手の歌を聞くことができます。
川北ナタリア先生のお話:
この歌は1847年にピョートル・ブラーホフによって作曲されました。作詞はモスクワ大学の卒業生チューエフスキーでした。20世紀になってこの歌は優れた歌手であったサビーニンによって手を加えられ、1915年にサビーニンの歌うレコードが発売されて国中にこの歌が広まったのです。国民的なヒットでした。この歌には一人の女性への変わらぬ愛が歌われていますが、この歌は革命が起こると白軍の愛唱歌となり、祖国ロシアへの愛を歌う歌ともなりました。「永遠に輝くただ一つの星」と歌われるのは失われた祖国帝政ロシアのことでもあったのです。そのため革命後この歌は「反ソ的である」ということで禁止されてしまいました。1957年になってアメリカ映画「戦争と平和」の中で使われるとロシア人はまたこの歌を歌うようになりましたが公式の場で歌うことはできませんでした。それから30年間、この歌は作者を明示することなく、単に「古くからある歌」ということにして歌われていたのでした。2008年に「提督」という映画で挿入歌として使われましたが この映画はロシアの映画アカデミーの最高の賞を受賞しました。
まず 文法の説明を聞いてから発音練習が始まりました。短い歌詞ではありますが メロディーに乗せてすらすらと歌えるようになるには何度も繰り返し練習する必要があります。川北先生は アレク・パグージン、タチアナ・アザーロヴァ、アンナ・ゲルマンと3人の歌手のCDを持ってきてくださり、この3人の歌を聞き比べました。オペラ風、演歌風(?)、様々な歌い方があり、男性が歌うのと女性が歌うのとではかなり感じも違います。その場で人気投票したところポーランド系だというアンナ・ゲルマンがゆったりと歌うのが一番よかったようです。
歌詞を覚えておけば語彙も増えて、ロシア語の会話でもおしゃれな表現が使えるという話になりました。ロシア人の恋人でもできたらТы
у меня одна заветная,
Другой не будет никогда. とか Ты будешь вечно незакатная В душе тоскующей
моей! とか言ってうっとりさせてあげられるといいですね。
当日の会場には川北先生のお友達のウクライナ人のオリガ・リトヴィネンコさんも来ていっしょに歌ってくださいました。彼女に次回のロシア語サロンのゲストをお願いしました。
次回は9月26日(日)です。