古都の夏を楽しむ
       ロシア語講座修学旅行   2000.8.13〜8.20
            学習の成果、随所で発揮

 今回で第五回を数える県連ロシア語講座恒例のロシア語講座修学旅行がサンクト・ ペテルブルク、モスクワヘ八月十三日から二十日までの八日間の日程で行われ、講師、受講生を中心に十名が参加しました。

 この修学旅行は、講座で学習した成果を旅行という現場で検証してみることが目的 です。従って、当然添乗員は毎回同行せず、同行の講師もあまり通訳らしいことはしません。自由行動の時間には、これまでの学習の成果を発揮して自らの足で 街を散策し、自分で旅行を楽しむことに特徴を出しています。

 そのために自由時間を十分に用意し、また、毎回少しずつ趣向を変えて個人旅行で は組み込みにくい都市や施設をコースに入れるように努力しています。現地では、一応日本語ガイドがつきますが、日本語だけでなくロシア語での説明も求めま した。各訪間先でのローカルガイドの説明も、ほとんど通訳なしで理解でき、むしろ通訳の間違いを「日本語ではこう言うのよ」と、こちらから指摘するほどで した。

 サンクト・ペテルプルクでは、おなじみのエルミタージユ美術館、ピヨートル宮殿 のぽか、東南へ一八○キロの古都ノプゴロドヘの旅もコースに組み入れました。一日がかりの旅となってしまうため、普通はなかなか行けない所ですが、やは り、時間をかけて行って良かったと言える歴史を感じさせる静かな街でした。
 
 さらに、憧れの「文学カフェ」での昼食、エルミクージュ劇場でのバレエ「ジゼル」鑑賞、ネバ河遊 覧や、思い思いのショッピングを楽しみました。多くの参加者にとって珍しかったのは「マルシュルートノエタクシー」といって、十五人乗り程度の小型マイク ロバスで決まったコースを走る、いわぱ乗合タクシーを初めて経験できたことでした。

 サンクト・ペテルブルクからモスクワへは、憧れの夜行列車「赤い矢」号で夜汽車 の旅を満喫しました。この頃には旅も後半になり、疲れのためか多くの人が夜汽車の走るリズムを子守歌に熟睡し、疲れを癒すことができました。モスクワは まったくの自由時間。ペンフレンドと初めて会うことができた人、県連の元ロシア語講師リーマさんの療養中のご主人セルゲイさんを市郊外のダーチャに見舞っ た人、初めてのモスクワの街を駆け足で巡った人など、それぞれ短い時間を目一杯が楽しみました。

 ところで、次回からは「ロシア語講座修学旅行」という名称を改め、「県連ユ会員 による友好の旅」として広く参加者を募ったらという声が出ました。今後の検討課題と思われます。(難波 忠清)

                 
エルミタージュの前で          リーマさんの別荘で          ノブゴロドにて


歴史の重み、静かな感動
       旅行に参加して  青島由紀子

 私にとって三回目になるこの流行で「やっばりロシアだ」と、感動した場所が二つ ありました。

 一つは宮殿広場。これまでは、広場はそこそこに、すぐエルミタージュに入ってし まい、物足りなさを感じていました。ペテルブルクでの最終日、広場に足を運んでみました。小さなお店に入ったり、パンをかじりながら歩いたり、突然雨に降 られてメトロの駅で雨宿りしたり−−広場の真ん中に立ってエカチェリーナになったような気分に浸ってみました。でも、未来の歴史に名を残すほどの権力や贅 を極めた生活ー私の想像をはるかに超えているのでしょう。遠い過去のことなのに押しつぷされそうになってしまいました。

 ニつ目はモスクワの赤の広場でした。レーニンが眠り、ソ連、ロシアの中央である この広い赤の広場の真ん中に今、自分が立っているのが信じられない気分。ソ連の崩壊、そして現在のロシアを長い年月、見続けてきた場所です。いつも感じる ことですが、この場所には何か見えないカがこもっているような気がします。

 今回の旅を振り返ると、ロシアの歴史に押しつぷされそうな大きく静かな感動を得 ることができたと思います。赤の広場やエルミ夕ージュが見つめ続けてきたロシアの歴史のlぺ−ジを、自分の目で垣間見てみたい−そんな気持ちにさせられま した。

 過去の歴史をみることはできないけれど、未来の歴史を、自分の目で、ずっと見届 けていこうと思っています。