ウクライナ問題に関する日本ユーラシア協会 会長・理事長
談話
軍
事的対決ではなく平和的外交的解決を希求します!
1.
ウクライナをめぐる情勢は、ロシア軍の同国国境地帯への配備と軍事演習などの軍事的圧力、米軍のウクライナ隣国への派兵、大規模な経済制裁予告など、きわ
めて緊迫しています。軍事的圧力、軍事的対決などはこうした状況を悪化させるだけでなく、ウクライナ、ロシアの人々のいのちとくらしを破壊しかねません。
ウクライナをめぐる問題は各国間の外交努力によって平和的に解決すべきです。
1.
こうした危機的事態の生れた背景の一つとして、米国がすすめるNATO(北大西洋条約機構)の東方拡大、ウクライナの加盟問題があります。NATOをはじ
めとするあらゆる軍事ブロックは仮想敵を作って軍事的対立、軍拡を呼び起こすものであり、けっしてこの地域の平和的安定的発展を保障するものではありませ
ん。
1.
もう一つの背景は、ロシア政府が旧ソ連地域を「勢力圏」とみなして外交・軍事戦略を展開していることです。ウクライナとロシアは歴史的に深い関係にありま
すが、ウクライナはソ連崩壊後主権国家になっており、その主権は尊重されねばなりません。
1.
ウクライナ東部2州
での紛争は続いており、停戦合意と2州
の「特別な自治」などを盛り込んだミンスク協定(2015年、
ウクライナ、ロシア、ドイツ、フランス4カ
国合意)をウクライナ、ロシア両国政府が遵守・実施し、この地域の火種を消し去ることが重要不可欠です。
1.
「平和と友好・人権と民主主義・自然や人びととの共生」を掲げる協会は、ロシアとウクライナが平和的かつ友好的な関係を持つことを希求しており、いかなる
事態となろうともロシア、ウクライナの人々との交流を続けることによってこの地域の平和と安定に貢献する所存です。
1.
わが協会は、「日ソ協会」(初代会長鳩山一郎元首相)として創立以来、今年で65年、
改称して30年
を迎えますが、姉妹都市交流や人的交流、文化交流を通じて、協会会員はウクライナにも、ロシアにも沢山の親しい友人を持っております。軍事的対決はこれら
の尊い歴史的人間的な絆を一瞬にして無に帰しかねません。
2022年2月17日
日本ユーラシア協会会長 竹田正直
理
事長 堀江則雄
|